苗場山周辺 雁ヶ峰(1667m)、高石山(1520m) 2014年5月10日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7:14 大島集落−−7:24 雪が消えたゲレンデ−−8:05 800m鞍部−−8:09 圧雪された林道−−8:39 林道を外れる−−8:47 小屋−−9:12 林道−−9:25 林道を離れる−−9:56 尾根に乗る−−11:11 雁ヶ峰(休憩) 11:45−−12:36 高石山(休憩) 13:16−−13:40 谷に出る−−13:53 林道−−14:03 林道を外れる−−14:17 小屋−−14:21 林道−−14:45 800m鞍部−−14:59 車道−−15:08 大島集落

場所新潟県南魚沼郡湯沢町/十日町市(旧中里村)
年月日2014年5月10日 日帰り
天候曇後快晴
山行種類残雪期
交通手段マイカー
駐車場車道の駐車余地に駐車
登山道の有無無し
籔の有無残雪期は籔皆無。無雪期は笹+灌木が予想される
危険個所の有無無し
山頂の展望2つの山とも良好
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメントかぐらみつまたスキー場近くの大島集落より往復。スキー場の最初のリフト終点から先はほぼ雪が続き籔は雪に埋もれていた。雪の状態は良好でアイゼン、ワカンどころかスパッツさえ不要なくらい。昨日の湿った新雪が2cm程度だった。林道はなぜかきれいに圧雪されていてびっくり。たぶんかぐらゴンドラ駅までだろう。それより上部は手つかずの積雪。雁ヶ峰山頂付近はなだらかでガスっているとイヤらしい地形。高石山へと続く尾根も分かりにくく、視界が無いときは下りは非常に難しいと思う。高石山周辺もなだらかな地形。下りは調子に乗って計画と違う尾根を下ったが急な下りでちょっと失敗。適当な谷に下ったら歩きやすくなって林道へ乗れた。あとはほとんど往路と同じルートで大島集落へ


ルート図。クリックで等倍表示


残雪手前で駐車 ユニコーンのすぐ先で残雪あり
ここからゲレンデに乗る 雪が消えたゲレンデを登る
かぐらみつまたスキー場の駐車場 冷えた缶ビール発見! 雁ヶ峰で美味しくいただいた
初心者コースか? ジグザグに登る みつまたスキー場
850m鞍部から西へ 最初の林道。圧雪されている
さらに西へ 2つ目の林道。ここも圧雪されている
林道が谷へ入る個所で右の尾根へ 緩やかな斜面を登る
古ぼけた小屋 また圧雪されたルートが登場
向山から西へ下るゲレンデ 送電鉄塔が林立
電線を折り返すための鉄塔 さらに緩斜面を登る
林道下はやや急 林道に出る
林道を西へ ここから林道を外れて谷へ
再び緩斜面へ この尾根に取り付く
ブナ林が続く 太い尾根に乗る
沈み方は少ない 1500m肩でシラビソ登場
この先は尾根が広がり樹林は減る かなり広い尾根
カッサダム スキーの方が楽しめそう
奥のピークが雁ヶ峰 雁ヶ峰山頂
雁ヶ峰からの360度パノラマ展望(クリックで拡大)
高石山を目指す 自分の足跡を離れて北東へ
新雪に足跡がくっきり 1509m峰のてっぺん
1450m鞍部 1540m峰へ登る
1540m峰のてっぺん
1540m峰から見た苗場山方向
1540m峰から見た高石山
自分の足跡しかない 無雪期は笹が中心のようだ
緩やかに登る 高石山山頂。1本だけシラビソあり
高石山から見た苗場山方向
高石山から見た東側の展望(クリックで拡大)
高石山から見た下りで使う予定だった尾根(クリックで拡大)
下山開始 色気を出して計画より南側の尾根を下ったが・・・
途中から急になり籔に掴まりながら下る 振り返る
ここで谷に下りた 雪に埋もれて快適な谷
地形図の崩壊地。雪に埋もれる 外ノ川本流を渡渉
外ノ川にかかる林道の橋 林道を歩く
雪を求めて往路より西側を下った もうすく植林に切り替わる
送電線地帯 コンクリートの小屋に再び
入口には薪が積まれていた 林道に乗る。往路の自分の足跡が微かに登る
林道分岐で東へ 東側の林道
850m鞍部へ登り返し スキー場を掠める
850m鞍部から見た巻機山〜柄沢山
ゲレンデを下る 雪が消えた斜面を歩いたが土が緩んで滑りやすい
往路ではされていなかった除雪が でも私が歩いた道路は除雪されていなかった


 大型連休が終わるとアルプス以外の山はほぼ残雪期は終わる。まだ十分な雪があるのは限られたエリアで、新潟では飯豊や妙高火打と苗場山くらいだろう。今回は苗場山北面の雁ヶ峰と高石山を狙うことにした。ここは傾斜が緩くしかも東面に近い位置にあるので遅くまで雪が期待できる。登山道は無くこのエリアなので無雪期は笹薮だろうが雪がある時期なら楽ができる。ルーとしてはかぐらみつまたスキー場の駐車場近く、大島集落が一番近い位置まで車で到達可能な場所なのでそこしかない。ここからスキー場を掠めて外ノ川沿いに上がり、林道を横断して上がれば雁ヶ峰で、北東に続く尾根を下がって高石山に達し、適当に林道に下って往路を戻る計画だ。外ノ川は林道の橋で渡るので渡渉の心配は不要。

 金曜夜に出発し、土曜日に日付が変わって湯沢ICを降りて国道17号線を南下、苗場山登山口の案内に導かれて右に入るが今回は関係ない案内だ。橋を渡ってそのまま直進すると大きく左にカーブする手前で車止めあり。人家はここまでですぐ奥が残雪で車は通れなくなっていた。橋まで戻って近くで仮眠。天気は風が強く霧雨が降ってよろしくないが、予報では明日朝には回復する見込み。

 翌朝、空は曇って明るくなる時刻も遅かった。昨夜より天候はやや回復傾向に見えるがまだ風が強く上空は一面の雲で高い場所は雲の中。気温も低くて寒い。車止めまで移動し、手でユニコーンを退けてその奥の駐車余地へ。今回の冬装備はピッケル、6本爪アイゼンとした。傾斜が緩い場所が多いので6本爪でいいだろう。昨日の寒気で高い場所は新雪が積もったと予想されるが、今日の山の標高だったらそれほど積もったとも思えずワカンは不要だろう。

 久しぶりに日帰り用のザックで出発。荷物が軽い。道路上の残雪は最初だけでその後は乾燥した舗装道路歩き。当初計画ではこの道路を延々と歩こうと考えていたが、最初の大きな右カーブで西に伸びる谷に沿って雪が解けたゲレンデが登場、樹林は刈られて草付きになっているので歩きやすそうだ。それに初心者コースらしく車道のような道幅でジグザグが切ってある。地形図の破線と違うがこれを上がれば850m鞍部に到着できそうで、車道を歩くより大幅に距離が短縮できる。

 ゲレンデはほとんど雪が消えているが水平部分には雪が残っている。そして雪の上で350ccの缶ビールを発見。未開封で底を見ると製造は約1ヶ月前。たぶんスキーヤーがコケて落としたものだろう、落とした時点で既に雪に埋もれ、それから今までずっと雪の中か雪の上だったと思われるので天然冷蔵庫で貯蔵したようなもの。品質は問題ないと思われるのでありがたく頂戴する。350gの重さが加わったが今日は軽いので大丈夫。

 その後も初心者コース?をジグザグに辿って850m鞍部到着。ここから南へ向かうとスキー場が営業中で人がたくさん。この中を歩くのも気が引けるので鞍部から直接西に下って林道を目指すことにした。ここは緩い傾斜の植林帯で残雪が豊富。これ以降はここに帰ってくるまでほぼ雪を踏んだままで予想どおりの残雪状況でよかった。雪の状態も良くほとんど沈まないのでスパッツを付けなくても靴に雪が入ることは無かった。

 最初の林道に出ると驚いたことに林道はきれいに圧雪されていた。雪上車が通ったのは間違いないが、ゲレンデとして整備したわけでもないだろう。物資の輸送用か? 地形図を見るとこの道はさっきのスキー場リフトに逆戻りなのでそのまま横断し、次の林道で左に曲がる。この林道もきれいに圧雪されていてびっくり。歩きやすくて助かる。右手に見えている外ノ川は水量が多く、とても渡れる状況ではなかった。

 しばらくはこのまま雪の林道を歩き、斜め左の浅い谷に道が入っていく辺りで林道右側の小さな尾根に乗り移る。この林道も先を辿ればスキー場行きだからだ。あくまで外ノ川沿いに上がっていく必要がある。杉の植林帯だがもう花粉はほぼ終了、ごく僅かに目に感じる程度だった。緩く登ると鉄筋コンクリート建ての大きな建物が登場、造林小屋ともちょっと違いそうな。ただしかなり古ぼけてガラスが割れた窓もあり入口のドアは無くなっていた。入口付近には薪が積まれていたので物置として使っているようだ。入口右側の塩ビパイプからは水が勢い良く漏れていて、どこから水を引いているらしい。建物自体は頑丈そうに見えるので避難小屋代わりに使えそうだ。

 小屋を通り過ぎると再び林道のような圧雪された道が登場、ただしさっきよりも道は薄め。頭上にはいくつもの送電線が通っていて、もしかしたらその巡視のためのルートかもしれない。鉄塔が何本もあるが、そのうち1本が奇妙。通常は左右に送電線が延びるか直角に折れ曲がるかだが、この鉄塔の電線はほぼ逆に折り返して別の鉄塔の送電線に接続されいる。こんな構成は初めて見た。常識的に考えると折り返し用の鉄塔など経由せずに直接電線をつなげてもよさそうに見えるのだが。電線の張力の向きとか何か理由があってこんな余計な鉄塔が立っているのだろうか。

 この鉄塔を通過してなおも緩い植林斜面を上がると尾根が立ち上がり上に林道が見えてくる。傾斜が出ると雪が消えた部分が多くなり、尾根直上ではなく左側の斜面の雪が残った部分を登って藪を避けて林道に出た。ここから先は植林ではなくブナの自然林に変わる。

 林道は除雪も圧雪もされておらず放置状態だが危険な傾斜はなくアイゼンも付けずに歩けた。どこから尾根に取り付くかだが、このまま尾根に乗ってもいいが、地形図を見ると次の谷から右手の尾根に取り付く方が傾斜が緩くて簡単そうに思えたので尾根を越えるカーブを見送って次の谷で左に入る。谷は雪に埋もれてどこでも歩ける状態。しかもかなり広い。ブナが点在するが木の間隔は広くスキー向きの場所といえよう。

 このまま谷を詰めても尾根に出るが、右手の小尾根から上がることにする。ブナの生えた小尾根に取り付き、雪で下向きになった枝を避けながら上がっていく。ここでもアイゼン不要な傾斜であった。上がっていくと北寄りの風が吹き付けるように寒く感じるため少々防寒装備を着用。天気はまだ曇りで苗場山方面は雲の中だ。どうも予報より天候の回復が遅れているように思える。ただし雨はないので問題なし。昨夜は僅かに雪が降ったようで窪んだところにほんのちょっとだけ湿った新雪が浮いていた。

 ブナが立った雪庇の尾根をまっすぐに上がっていくのはなかなか気持ちがいいが、これでバックが青空だったら言うことなしだなぁ。でも徐々に雲の切れ間から青空が見えるようになってきたので、そのうちに晴れそうだ。特に新潟側の空は急激に雲が切れている。

 ここまでブナの純林だったが1500m肩で初めてシラビソが登場、肩を通過すると立ち木が極端に減ってだだっ広い緩やかな稜線へと変わる。まさにスキー向きの地形。今は視界があるからいいが、ここでガスられたら下りは厄介だろう。積雪は徐々に増えてきているがここでも2,3cm程度でまだスパッツが不要なくらいだった。風は強いが天候はかなり回復、日差しが出ている時間が長くなった。

 やがて雪庇の最高点に到着、ここが雁ヶ峰山頂だ。近くには立ち木は無く、少し離れた北側や西側にシラビソがあるだけ。新雪が覆っているので古い足跡やスキー跡があっても隠れてしまっているだろうが、立ち木には山頂標識や目印は皆無だった。帰ってからネット検索したが雁ヶ峰はバックカントリーではメジャーなコースらしい。この地形、植生ならそれも頷ける。今日だってたぶんここからゲレンデまでスキーを脱がずに済むだろう。シラビソの影で風を避けながら休憩。拾得物の缶ビールをおいしくいただいた。天気は完全に回復、日差しが眩しいくらいになったが、苗場山山頂付近や上越国境の山並みはまだ雲の中だった。

 休憩終了後、高石山に向けて出発。この尾根は不明で非常に分かりにくく、ガスっていたら正しい尾根に乗るのは至難の業だが、今日のような晴天でずっと先まで尾根が見えていれば何でもない。左に続く大きな尾根を見送って北東の斜面に入り緩やかに下っていく。しばらくは尾根の形状を成していないので視界が無いと現在位置の把握も難しいだろう。

 1509m峰を越えて1450m鞍部へ。1540m峰への登りは小ぶりのブナ林の斜面で南向きだがまだ雪がたっぷりだ。木の間を縫って上がっていき、部分的に笹が出たピークから僅かに下って、これまた部分的に笹が出た斜面を緩く上り返す。笹の濃さは激藪というほどでもないが潅木も入り混じって長時間の藪漕ぎは避けたい植生だった。

 緩く登って平坦な高石山山頂到着。低いブナに1本だけ低いシラビソが混じって目立つ存在。山頂付近は雪が減ってたぶん数10cmくらいしか厚みはなさそうだが東側の雪庇の厚みは数mはあるだろう。山頂付近の立木には目印皆無。ネット検索の結果ではスキーヤーもここまでは足を伸ばさないようだ。雪の上に顔を出した笹で風を避けつつ休憩。日差しが気持ちよく断熱シートを敷いて横になったら寝てしまった。さっきのビールが効いていたのかもしれない。

 これで本日の目的達成。下山だが高石山から東に落ちる尾根を下って雪に埋もれた林道に出て、林道の橋を渡って往路に戻る予定。しかしここで地形図を確認せずに林道歩きをショートカットしようともっと南の尾根に乗り移ったのがまずかった。当初計画していた尾根以外は途中で消失して沢に落ち込んでしまうのをすっかり忘れていた。上から見ると緩やかそうに見えるのだが末端が近づくと急激に落ち込む。それに気づいたときにはかなり標高を落としていて登り返すのもつらい状況。どうにかなるだろうとそのまま尾根を下ることにした。

 さすがに急斜面を踵を入れて下ると雪が大きく跳ねるので今はスパッツが必要、それに頼りないが6本爪アイゼンも。ところがアイゼンを付けたのはいいが、すぐに団子になってめちゃくちゃ滑り登山靴のままの方がよっぽどマシだ。ここ数年はアイゼンといえばアンチスノープレート付きの12本爪しか使ったことが無かったので、ノーマルのアイゼンがこうなるなんてすっかり忘れていた。プレートの威力は絶大だったのか。

 雪は締まっているが今は日中で踵が効かないわけではないし、この尾根はもう藪が出ている場所もあって掴まるものがあるのでアイゼンが無くてもどうにか下れそうと判断、このまま適当な谷を目指すことにする。しかし今だ両側の谷へは深く落ち込んでいて下れそうにないので、安全に谷にドロップできる場所まで尾根を下るしかない。立ち木、笹に掴まりながら下っていき、右手の谷に安全に下れる場所を発見、この谷が林道まで安全である保証はないが、ダメなら右手の太い尾根に登り返す手段もあろうと谷へ入る。

 谷はすっかり雪に埋もれて全く流れは出ていないし傾斜も適度でノーアイゼンで楽しく歩けるレベル。どこかで滝があったりゴルジュ状になった場所で流れが出ていたりしなければとちょっとハラハラしながら下っていくが、割と広い幅が続いて危険地帯の気配なし。地形図上のガレた場所も斜面はガレているが谷は完全に雪に埋もれ安全に通過できた。

 そして右手から別の沢(外ノ川本流)が合流する個所で雪が切れ、対岸に渡る必要が出てきた。そこそこ水量があるので適度な位置関係の飛び石を使う必要があった。石は見つかったのだが対岸が1mほどの雪の壁で渡ったのはいいが足がかりが無い。ここはピッケルの出番で足場を掘ってよじ登ってクリアした。

 このすぐ下流が林道の橋だった。ここで林道に乗らずに沢に沿って下っていく方が労力はかからないのだがこの水量ではもう簡単に渡渉はできず、今いる右岸側が切り立った場所があったらアウトである。下流の様子は見えないが安全を考慮して計画どおり林道歩きにする。

 橋に上がると林道はやや登り気味で疲れるがしょうがない。しかしその距離も僅かで往路で林道と別れた場所に到着、あとは水平移動して尾根直上より北側斜面の雪を伝わって下った。平坦地はあの奇妙な送電鉄塔が立つ付近で、もうこの先は山歩きというよりスキー場を歩くようなエリアに入る。

 コンクリートの小屋の脇を通って圧雪された林道に乗り、右手の林道を横断して850m鞍部へ。雪が消えたゲレンデを下って舗装道路に到着。往路では雪が積もって通行不能だった個所が除雪されていて重機で除雪したようだった。しかしそれは大島集落からの道ではなくかぐらみつまた駐車場からの道だった。まあ、どちらにせよ今回はここから鞍部へ直接上り下りした方がショートカットできて効率が良かったので車道は使うメリットは無かったが。

 車に戻ると地元民のおじいさんが散策中。しばし立ち話したが、さすがに地元の人でも私が歩いたエリアに山登りや山菜取りに出かける人はいないとのことだった。そんな山奥まで入らなくてもこの付近でたくさん取れるそうだ。まだここは雪が解けたばかりで山菜は出ていないそうだが、あと1,2週間もすればワラビが顔を出すかな。

 今回のまとめ。このエリアは遅くまで多くの雪があってまだまだ藪を回避できる。地形的には歩くよりもスキー向きで、リフトを使えばもっと楽に短時間で周回できると思う。

 

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